沖縄県産である柑橘果実で「シークヮーサー」というものがある。

日本全国でも沖縄でのみ生息するその果実は、奇跡の果実として世界に認知され始めている。特に大宜味村はシークヮーサーの原産地として知られ、全出荷の70%を締めるまでになった。

しかし、自由な取引による分散化が生じた価格低迷に直面し、苦悩と困難を経験しながら、さらに追い打ちとなった高齢化による農家縮小の現実である。定期的にシークヮーサー・ブームと呼ばれるTV放映に託つけた市場向上も一過性のものであり、相場向上には至らずにいる。

毎年9月頃より実をつけるシークヮーサー。実が青い「青切り」と呼ばれるものが最も栄養素が高く、ジュースなどの加工品として最も収穫が多い。

シークヮーサーが何故奇跡の柑橘なのかというと、それは優れた成分における驚きの含有量だ。大きく取り上げればポリフェノールであり、さらにその中の栄養素としてポリメトキシフラボノイド、そして「ノビレチン」という栄養素だ。これらの栄養素は、シークヮーサーの果皮に多く含まれ、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫賦活作用、抗糖尿病作用、抗骨粗鬆症作用、そして、抗がん作用と抗認知症作用と非常に多機能な生理活性を担うことが科学的に立証されているのである。それらの生理活性においては、つまり体内のナチュラル・キラー細胞の機能強化を促すのである。

ナチュラル・キラー細胞の機能を強化することで、ガン細胞やウイルス感染細胞を攻撃するリンパ球がよく働き、健康・長寿につながることで期待されているのである。

それらの科学的根拠は、シークヮーサーの里、健康長寿の里ブルーゾーンとして知られる大宜味村の人々の生活において事象直結しているのである。

 

POLYHEDRA labでは、大宜味村内にシークヮーサー農園を運営および成分の研究を進めている。次世代への価値創造のため、完全なる無農薬化と除草剤不使用による栄養素改善。光テクノロジーを会した生産性向上のための開発。

シークヮーサーは、これからの世界に最も必要とされる品種であると言える。Labでは、成分研究のみならず、産業としての動向、高齢化による産業縮小抑制のための新たな担い手生産など、そのミッションは深くて広い。

果実の期間としては9月から翌2月まで。年末から翌年にかけて実は徐々に赤みを増し、2月には美しいオレンジ色になることから、農家は「黄金(クガニ)」と呼び、農園内に「火が灯る」と謳う。