ウシオ電機株式会社と三協エアテック株式会社のご協力を得て、POLYHEDRA FARM Labへオゾン水製造機が設置された。

 

三協エアテック社製 オゾン水製造装置
当Labの研究企画の中でも特に大きなミッションとして掲げる「農業改革」は、これからの大宜味村にとってとても重要なファクターとなるだろう。延いては世界の食糧難という壁が現実となって見え始めている今、農業における役割の大きさは言うまでもない。我々は光と音、つまり波長・波形における可能性を追求し続けているが、その中でオゾンのポテンシャルに着眼した。というは、Farm Labで取り組むCitrus Depressa(シークヮーサー)の農業における収穫率を上げる創意工夫の中で、昆虫対策の壁の大きさを感じていたからだ。
我々は殺虫という手法に頼らず収穫率を上げるコンセプトを掲げ、昆虫の持つ特性を研究した。その中で特に目を引いたのが、集団フェロモンという昆虫特有の社会構造だ。餌にありついた捜索隊はまず仲間のためにフェロモンで新しい餌場を確保し、仲間の虫達が大挙して押し寄せる。では、そのフェロモンを日々消すことが出来たらどうなるのか。
その疑問からオゾンに行き着いた。多々あるオゾンの特性の一つとして、匂いを消すという作用が大きくある。樹木にオゾン水を散布することで常にフェロモンをクリア出来れば、収穫率の成果に繋がるのではないかという発想から、企業の力を借りることで今回の設置に行き着いた。

 

葉や枝の裏側も考慮し、下方より広範囲への噴霧を試験する。
トップ部から樹木全体にオゾン水を噴霧する。
その他にもオゾンによる好転反応の科学的根拠を目指し、試験が開始した。活性酸素における土質の変化や微生物のビオトープなど注意する点も多々あるが、オゾン濃度を0.5PPM以下に設定しテストを開始。

 

オゾン水製造装置内部。常時オゾンガスの状況を数値確認できる。
末端のオゾンガスの数値を計測。濃度設定は試験の要だ。
定期的な土質や微生物の状況検査を行いながら、樹木本体の昆虫の状況やカビ等の変化を日々チェックする。

 

オゾン水噴霧した土壌と噴霧していない隣地の土壌の検査も定期実施する。
昆虫を排除するという考えではなく、共生という可能性を見定め、POLYHEDRAが定める「品質の良い」果実を収穫できる未来を築くためのプロジェクトである。

 

エンジニアリング及び試験などを一挙に担う三協エアテック社の山本有治氏。
試験における手法やオゾン濃度に関して、三協エアテック社ホームページのオゾンラボで詳細の閲覧が可能。