清水寺での演奏会が印象だったクラヴィコード演奏家であり製造者でもある内田輝(うちだあきら)氏。
冬から春にかけて沖縄での試演奏や演奏会、そしてやんばるを感じる旅が始まった。
俳優であり活動家である華みきさんの企画から始まったこの旅は、多くの人に好奇心と荘厳さや音楽のルーツを知っていただく機械となった。

我々は、いつの日か、沖縄の伝統木材から生み出される琉球クラヴィコードを夢見る。

国頭村安田小学校での演奏会。朝から村内放送で響き渡る、村民全てを演奏会へ招待しますの声。失われかけている人と人とが真心で繋がる印象深い日となった。

 

沖縄県内で活躍する若手や実力者を招いての意見交換会。米国帰りのミュージシャン、芸大教授、若手実業家などそれぞれの視点から質問が飛び交う。後にここで出会った方々とは深い親交に繋がった。
国頭村役場では、知花村長始め、村議会議員、役場職員などを集い、演奏を行った。そして琉球時代の樹木の話に花が咲く。
今帰仁村では、宿泊者1組限定の演奏を行った。静かな夕暮れに音色が研ぎ澄まされてゆく。一生の思い出になったと宿泊者。
念願であった、国頭村安田で創作活動を行う水墨画作家の菊田一朗画伯と面会。互いのアート性が心地よく交わっていく空気の流れを見た。
菊田画伯の八角堂アトリエにて演奏した。菊田氏の目には少し光るものがあった。
大きなクラヴィコードを何とか車に詰め込みながら巡ったやんばるは、内田輝の心に何を残したであろうか。
旅の合間では屈託のない笑顔や珍道中の数々。我々全てに至福の時間と明るい未来を想像させてくれた。